余白 · 02

rainRain

傘を忘れた日の 軒下で
人の傘が 色を変えて 通っていく
急いでいた足が 雨の速さになる
軒の先で 雫が かわるがわる光る

土のにおいが 向こうから 歩いてくる
濡れた肩の 冷たさも 今日のなかに置く

雫のなかで 空が 昨日より近い
乾いた場所から においが 帰ってくる
水の奥で 白い花が さかさに咲く
わたしの足音が ひとつ 遅くなる

窓のこちらで 雨の音が まるくなる
外に置いてきた雨は まだ とがったまま
流れた予定のあとに 午後が 白く残る
乾かない靴が 並んで 雨を聴いている

雨がやむ 少し前に においが変わる
窓をあけたら 知らない街にいた

雫のなかで 空が 昨日より近い
乾いた場所から においが 帰ってくる
水の奥で 白い花が さかさに咲く
わたしの足音が ひとつ 遅くなる

雨に困った日も 雨を待った日も
土は 同じ深さで 濡れていく
並んだ雫の 最後のひとつが 落ちる

雫のなかで 空が 昨日より近い
乾いた場所から においが 帰ってくる
水の奥で 白い花が さかさに咲く
わたしの足音が ひとつ 遅くなる

足もとの空を 踏まないように 帰る

詞
Akira Okumura
歌・曲
Aotsuki

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